愛でる|暮らしの中のぶどうとワイン

2024年度の「ぶどうとワインの資料展」は愛でる -暮らしの中のぶどうとワイン-と銘打ち、2024年9月28日から11月28まで開催されました。

私たち甲州市立勝沼図書館は、「ぶどうとワインの資料数日本一」を自負する図書館として、この豊かな文化を次世代、そして世界へ伝える活動を続けています。2024年は人類の歩みと共にあった歴史の時と場所、そして私たちの甲州市勝沼でどのようにぶどうとワインが溶け込んでいるか、その魅力をご紹介します。

展示資料PDFはページ下部でダウンロードいただけます。

目次

私たちが編み上げた「ぶどうとワイン」の物語

ワインがいつ、どこで生まれたのか、その気の遠くなるような時間の流れを辿りました。

約8000年前(紀元前6000年)

ジョージアの遺跡から最古の栽培とワイン造りの証拠が発見されています。

約7000〜9000年前(紀元前7000年代)

中国でもこの時期にはすでにワインが造られていたと考えられています。

約7000年前(紀元前5000年頃)

世界最古の文学『ギルガメシュ叙事詩』(メソポタミア)にワインが登場し、レバノンでも醸造が始まっていました。

約6100年前(紀元前4100年頃)

アルメニアのアレニ洞窟に、世界最古のワイナリー跡が存在します。

約2600年前(紀元前6世紀頃〜)

ギリシア神話の物語が文字化され体系化されました。酒神ディオニュソス(バッカス)が醸造法を広めたという伝説は、それ以前の口承から受け継がれたものです。

約2300年前(紀元前4世紀)

アレクサンドロス大王の東方遠征により、ワイン文化はギリシアからインド北西部へと劇的に広がり、ドラクマ(通貨)による商取引の拡大と文化交流に伴い、アレキサンドロス大王の師・アリストテレスの「植物誌」によるブドウ栽培も広がりました。

約2000年前

ローマ帝国の拡大と共にワインはヨーロッパ全土へ普及。また、聖書の中でも「平和と豊かさ」の象徴として描かれ、キリスト教の儀式に欠かせないものとなりました。

ぶどうとワインで愛でる…(勝沼の表現者たち)

この地でぶどうを慈しむ二人の現代の語り部にインタビューしました。

鈴木 明さん(ワイン民宿「鈴木園」元主人)

消しゴム版画や「豆本」を通じ、勝沼の風景を形にしています。「日本文化の根底には自然を愛でる心がある」と語る彼の作品は、有名デザイン誌の表紙も飾りました。

若尾 亮さん(「マルサン葡萄酒」醸造家)

300年以上続く家系の歴史を大切にしながら、家紋をあしらった現代的なグッズ制作なども行っています。「全ての原動力は愛」という信念でワインを醸しています。

色で愛でる…(平安の美意識)

約1000年前の色彩

『源氏物語』などの平安文学に登場する「葡萄色(えびいろ)」を紹介します。これは山葡萄の古名「エビカズラ」に由来する高貴な色です。

王朝の美学

10世紀の法令集『延喜式』に記された染色法や、『源氏物語』では光源氏が身にまとった圧倒的な美しさについても触れています。

形で愛でる…(シルクロードの記憶)

文様の伝播

シリアのパルミラ遺跡(約2000年前)や古代エジプトに見られるぶどうのデザインは、シルクロードを経て日本へ伝わりました。

時代を超えた造形

奈良・薬師寺の如来台座にある葡萄唐草、正倉院の宝物、そして江戸時代の絵師・伊藤若冲が描いた緻密な葡萄図まで、人々が「子孫繁栄」を願った形を辿ります。

私たちの街、甲州市・勝沼で見つけた輝き

日常のぶどう

街のマンホール、ガードレール、街灯など、至るところにぶどうの意匠が溢れる勝沼の風景を写真で紹介しています。

当館の誇り

2018年にLibrary of the Yearを受賞した際、スタッフが考案した「ぶどうの葉とグラス」のロゴマークに込めた想いも掲載しています。


時代を超え、国境を越え、人々に愛され支えとなってきた「ぶどうとワイン」。この冊子を手に、あなた自身の「愛でる」心を見つけていただければ幸いです。

配布資料ダウンロード

R6ぶどうとワインの資料展

アーカイブページ

開催資料の表紙と共に、展示内容の概要を記しました。配布資料のダウンロードができる回もございます。

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